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「一麹(こうじ)、二酛(もと)、三造り・・・」
このような、格言は酒造りの世界で、日常の活動の中でさりげなく
語り伝えられてきたものです。
米麹は、酒造りに使われる米全体の約20%を蒸して、カビの一種でもある
黄麹菌を米の内部まで深く繁殖させたものです。
米は、もともと発酵にはあまり向かないものですが、いろいろな側面から
働きかけて、アルコールを生み出していく並行複発酵の影の主役とも
いわれています。
米麹の存在がどのように重要であるかが分かることによって酒の世界の
面白さも広がっていきます。
米麹を造る主な目的は3つです。
まず第1に、米麹に含まれるアミラーゼとプロテアーゼなどという酵素を
利用して蒸米のデンプンを分解させることです。
次に、
発酵の途中にある酵母にビタミンなどの栄養分を加え発酵を盛んにします。
さらに、発酵のさまざまな段階で生産される副産物である糖分、アミノ酸、
色素、芳香などで酒そのもの風味を造り上げていきます。
これだけ重要な役割を果たす米麹は、高温の「麹室(こうじむろ)」と
呼ばれる密室で丹精を込めて造られます。
「麹室」は、文字通り米麹のためだけに造られた密室であり、見た目は
大型の金庫かサウナ室のようなものです。
この部屋で、常に温度と湿度に気が配られて、蒸米に種麹が付着、
増殖していく様子が見守られていきます。
この間の日数は2~3日で良い米麹が出来上がると芳しい栗のような
香りがほのかに漂ってきます。
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